トシとショウタのチン州/ビクトリア山登山

嵐を呼ぶ男の嵐を呼ぶレポート!

 

『素朴な人々』


夜半に激しい雨があったが翌朝には上がり、3つの異なる部族のそれぞれの踊りを披露していただいた。衣裳が少しづつことなるように踊りにもそれぞれ特徴があり実に興味深い。

ダイという民族は田植えを彷佛とさせる動作を含んだ豊作祈願の踊りと鼻で奏でる笛をフィーチャーした求愛の踊りを、マカンという部族は鳥の求愛ダンスや戦いを思わせる踊りを、ヌーンという部族は女性ばかりの愛らしいダンスをそれぞれ披露してくれた。

素朴な伴奏に乗って踊る彼等の踊りは最初、どことなくぎこちなく正直稚拙な所もあったが、踊り自体を思い出して来たのか徐々に調子が上がって行った。
おそらく他所の観光地のように見せる為に踊ることが少ないのに違いない。
外国人に見せたことなど一度もなかったという人もいるのではないだろうか。

大変貴重な経験をさせていただいた。踊りには加わらなかったが 顔に入れ墨を入れた女性達も集まっており、申し訳ないとは思いつつもついじっと見入ってしまった。

軽い線だけの人もいれば顔中くまなく点が刻んであり顔の色が真っ青になってしまう人もいる。そうなるともう年齢不祥である。

真っ青な人で小さな赤ちゃんをおぶっていた人は、まだ若いのだろうか、それとも孫をおぶっていたのだろうか。残念ながら聞きそびれてしまった。

だって失礼でしょう、『お子さんですか?お孫さんですか?』なんて。

さて、踊りのあとは全員で記念撮影。私とショウタは民族衣裳を着て銃を手にさせられたが果たしてどんな風に写っているのやら。

昨日川岸で荷物番をさせられたタンゼーさんは少数民族の女性におおもてだった。どうやらテレビで人気の俳優にそっくりだということらしい。このあたりは電気の供給が不安定なのとテレビ自体それほど普及していないが、貴重品ということでテレビに出ている人のステータスも高いようなのだ。

 

『いよいよ登山に出発』

 

この後、ミンダで高い尊敬を受けている仏教寺院を表敬訪問し織物の工房を見学。

いよいよビクトリア山を目指して出発である。

山頂からは山の反対側にあるカンペレットという町に下るので、山登りに必要ない荷物は3台のジープと供にカンペレットで待機することになった。
3053mのビクトリア山へ向けていざ....下り、下り、下り。
ミンダの町(約1500m)とビクトリア山の間には深い渓谷(約500m)があり、標高差1000mを一気に下りなければならないのだ。

前夜の雨の影響でつるつるに滑る細くて急な山道を下るのだから転倒者続出である。ふんばるので膝の回りがつっぱってくる情けないことだが後半はもう膝が笑いっぱなしだった。それでも下りは下りであるスピードは出る。一時間半ほどで谷底のつり橋に到着することが出来た。

途中少数民族の集落などがあり機を織る女性の姿なども見かけたのだが撮影をしている余裕は全くなかった。地元のガイドのおじさん(52歳!)と3人のポーター、そして安全の為に同行した3人の警官は全員ビーチサンダルであった。こういう滑りやすい斜面ではそのほうがいいのだと聞いてもやっぱり複雑な気持ちである。

このころになると体力的に弱い人間はもう先を想像して憂鬱になっており、軽口をたたく余裕もない。ショウタは体力はあるがその分体重もあるので、こういう急な傾斜地はきついのか『どんなに遅れても後から必ず行くから、先に言ってて』と事実上のマイペース宣言をしている。

 

つづく

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